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さくらのストーン

きいちご

ぐんぐん、のぼる、森のかいだん。
ぐうぐう、うなる、コロルのおなか。

おなか、ぺこぺこ。
げんき、カラカラ。

ころろっこっ、ポケットのなか、
はげましてくれる、ふしぎの石。

でも、もうだめだ、のぼれない。
へなへな、木のねっこに、すわりこむ。

すると、木のうえ、
「おいしい、きいちご、こっちこっち」
森のしげみへ、ことりが、さそう。

大きな草を、かき分け、すすむ。
聞こえてきてきたのは、気になる歌ごえ。

ことりは、
「さあ、あそこが、歌うきいちごレストラン。
おいしいうえに、みんな、歌もうまいんだ。」
ちょっと、うらやましそう。

dummy dummy

『いちご、いちご、
小さな、いちご。

いちご、いちご、
木になる、いちご。

見れば、
心にこにこ、まほうの赤。

聞けば、
心もりもり、げんきになる。

食べてごらんよ、
ほんのり、あまくて、
ほんのり、すっぱい。

森のなかま、みんな集まれ』

緑の葉っぱを、お皿に、ステージに、
歌うきいちご、赤くつややか、おいしそう。

森のなかまが、
木々のおくから、空から、土から、
おなかぺこぺこ、やって来る。

そして、好きなきいちごを、ぱくり。
新しい野はらへ、はこんでゆく。

dummy dummy

「きいちご、ここだよ、ここですよー!」

よくひびく、大きな声で、
みんなを、あんないするのは、
あんまり……赤くない、きいちご店長。

コロルを見ると、
「いらっしゃいませ!こんにちは!
冬から起きたばかりの、くまたちが来ると、
すぐなくなっちゃうよ、早くえらんでね」

「ありがとう。
みんな、おいしそうで、歌がうまいね。
あなたは、歌わないの?」

きいちご店長は、きゅうに、しょぼん。
「歌は大好き。でも、わたしの歌は……」
かたをすくめる。

すると、ポケットの石が、

ころっ
ころろっ

歌を、さいそくしているみたい。

dummy dummy

「ちょっとだけ、歌ってみてくれないかな」

ためらいながら、うなずく、きいちご店長。
そして、すうっと息をすい、歌いだす。

『いちごぉ いちごぉぉ ……』

歌いだしから、森じゅう、びっくり。

森のはじから、はじまで、とどく声。
木々が、風もないのに、ざわざわゆれる。
くまたちが、いっせいに、目をさます。

リズムからはずれた、
メロディならぬメロディに、
鳥が、羽ばたたくのを、わすれる。

いや、でも、なんだろう、
たのしくなってきたぞ。

おなかの中が、くすぐったい。
なやみごとも、かなしいことも、
いやなきもちも、わすれちゃう。

dummy dummy

こんな歌、はじめて!
森のみんなが、思いはじめたところで、

「やっぱり、うまく、歌えないな……」
歌をやめようとした、その時、

キラキラ どうぞ
キラキラ ひとつ

石が、赤く、かがやきだした。

ぴかっ

「歌を聞いて、よろこんでいるみたい。
もっと、歌を、聞かせてよ」

きいちご店長は、うれしくて、また歌う。

ぴかっ
ぴかっぴかっ

のびのび、歌えば、歌うほど、
石は、かがやく、より赤く。

そして、ついに、
きいちご店長の、よわよわしい赤が、
みずみずしく、かがやき出した。

それはまるで、森の赤い宝石。

dummy dummy

じっと、ようすを見ていたことりが、
空から、ぱたぱた、おりてきて、
ぽろん、きいちご店長を口にした。

歌にまよっていたことりが、歌いだす。
それは、音符がおどる、じゆうなメロディ。

きいちご店長をつれ、
ことりが、ゆかいに歌い、森をとぶ。

森じゅうが、たのしいきもちに、つつまれる。

そして、新しい野はらに、ぽとん。
ここに、新たな、歌うきいちごレストラン。

dummy dummy

コロルは、はっと、
おなかぺこぺこを思いだし、
きいちご、いくつか、お口にぽん。
おやつに、いっぱい、ポケットに。

そして、
また森のかいだんを、のぼりはじめる。

森にひびく、ことりの歌にさそわれて、
おなかのきいちご、ポケットきいちご、
みんないっしょに、だいがっしょう。

『いちご、いちご。
木になる、いちご。

きみの「好き」を、みがいたら、
きみの色が、かがやくよ。
となりの色も、かがやくよ。

きいちごの赤は、きみのみかた。
きみだけの、道をゆけ

dummy dummy

つづく

ランドセル

きいちご

Pop Red

可愛らしい小さな木苺のようなポップレッド。少し朱色みのある、やさしい赤です。
自然光ではより鮮やかでみずみずしい印象に。